日本一となった宮崎牛や豚などの家畜が、口蹄疫(こうていえき)に感染し、殺処分つまり殺される家畜が、5月8日の時点で6万頭になりそうだと言うのです。
口蹄疫のウィルスは空中をに飛んで感染し、その感染力はとても強く、感染が確認されると移動そのものを制限し、とにかく消毒を行い、即座に殺され処分するしか感染を防ぐ方法がないそうです。
人への影響は無いそうですが、口蹄疫に感染した仔牛はほぼ育たないという、家畜にとっては深刻な病気で、これが発生すると直ちに輸出が無条件に禁止されるという畜産農家にとっては深刻な感染病です。
畜産を仕事にされている人にとって、もし自分の牛が感染すれば、借金まみれで破産する事態になりかねない恐ろしい事態です。
前回の口蹄疫の発生は、平成十二年(2000年)。92年ぶりに日本で発生しました。韓国、日本、そしてイギリスで発生し、イギリスで殺された数は700万頭となったそうです。イギリスの損害金額は二兆円超えたと言われてます。
10年前に発生した時の森嘉朗内閣は、即座に100億のお金を用意し、とにかく感染拡大防止を指示し、3例の発生で殺処分760頭、二月で感染を押さえたそうです。
そして今年4月20日、日本で宮崎で口蹄疫感染が確認されました。韓国や中国では、日本より先に発生していたそうです。日本産の牛肉は直ちに輸出禁止。宮崎県や農協は即座に消毒剤を用意し対策に追われているそうですが、感染に歯止めはかからず、5月7日の宮剤県の発表では41ヶ所となっています。
東国原県知事の「そのまんま日記」(http://ameblo.jp/higashi-blog/)からも、大変な様子が伝わってきます。4月19日に「目標」と題されたブログには、宮崎に対する熱い思いと夢が力強く書かれていたのに、その翌日、4月20日に「口蹄疫」と題して
家畜伝染病である「口蹄疫」の疑似患畜が県内で確認された。
県と農水省では、直ちに口蹄疫防疫対策本部を設置し、家畜伝染病予防法及びこれに基づく防疫要領に沿って、適切かつ迅速な対応・措置を行っている。
と、書かなければいけませんでした。でも、東国原知事が書いたブログには嘘があります。
宮崎県で一生懸命消毒をし、殺した家畜の埋葬作業に全力をあげているのは事実です。5月1日には陸上自衛隊の派遣を要請し、自衛隊も活動しています。
防衛省ホームページにある自衛隊の宮崎での行動(http://www.mod.go.jp/j/press/news/2010/05/07d.html)
県や農協が用意した消毒剤も足らなくなって来ていると言います。5日には、4回目の対策本部会議で、東国原知事が「想像を絶するような規模になってきた。非常事態を宣言してもいいのではないか」とまで語っています。
嘘だと言ったのは「農水省は」と書かれた部分です。農林水産省は感染が拡大していく中で、消毒剤すら手配しなかったそうです。たいした対策をとらないまま、農林水産省の大臣である赤松広隆大臣は、4月30日、コロンビア・キューバ・メキシコへ外遊に出かけたそうです。
帰る予定は8日。
感染が拡大し宮崎、鹿児島、熊本、大分まで移動規制が敷かれ、国連からアウトブレイクと言われたその日に外遊出発です。
役人は大臣の命令や許可無しで動くことはありません。大臣が外国にいるのであれば対策がとれる訳ありません。
7日に選挙のために宮崎を訪れた民主党の小沢幹事長。地方から悲痛な叫びを聞いています。ですが民主党が大きな対策をしたニュースは聞こえません。
与党も国も、宮崎の畜産業界の危機に対して見放しているように見えます。
「政府からはまったく消毒薬が届いていない。届け先は町単独で注文したもの、JA宮崎経済連、宮崎県畜産協会が注文した」
地方の悲痛な叫びです。
宮崎は畜産が基幹産業の地域が多くあります。それが壊滅状態になってしまう可能性があります。
口蹄疫に感染した肉を食べても害はないと言います。また、感染が確認された農家の家畜は殺され処分されるので、肉が流通される事も決してありません。ですが大々的に報道すると、少し前に牛肉であったように、安全だとあっても消費者が宮崎のお肉を食べずに、風評被害が起きる可能性があるので、報道も控えられているのかもしません。
ですが、宮崎が深刻な状態に有る現実があります。
国の対応は無いの等しい状態ですから、私達に出来ることは、宮崎県を直接支援する事だけのように思います。
宮崎県のホームページ(http://www.pref.miyazaki.lg.jp/)に、ふるさと宮崎応援寄付金(http://www.pref.miyazaki.lg.jp/furusato/)があります。これも現実的な支援のひとつでしょう。
既に宮崎の被害は数百億規模のようです。感染がおさまる様子もありません。宮崎県から他県へ広がり、国を超えて広がったなら、日本は世界から信用を失います。そうならぬ事を祈るばかりです。